タレントの謝罪会見。いったい誰のための様式美なのか

テレビでよく見かける謝罪会見ですが、誰に何を謝っているのかさっぱりわからない謝罪会見ってありますよね。そして決まって言うセリフがこれです。

「このたびは、世間の皆様をお騒がせして、申し訳ありませんでした」

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会見はしたものの

神妙な顔でややうつむき加減に、判で押したようにこの言葉を語るタレントの謝罪会見。よく見る光景です。
それはテレビの黎明期からずっと変わらない見慣れた絵です。

しかし皆、同じようなことを言っているのに、その結果は千差万別です。

会見によってわりと収まった感のある僕イケメンの人。火に油を注いだだけのセンテンススプリングの人。古くは盗撮がバレて、かましたギャグ「ミニにタコ」が大すべりした人もいました。

いずれにしてもこの人たちはいったい誰に謝っているだろうと、私はいつも思うのです。

誰が得をするのか

そもそも世間を騒がせた、という言葉が意味不明です。視聴者の側である私は、彼らに騒がされた覚えはまったくありません。近所の良蔵じいさんも隣の芳子ばあさんも(年寄りばっかりか)騒いでいる様子はありませんでした。
謝罪する人の目には、私たち一般の視聴者は映っていないようです。

一番騒いだのは雑誌・テレビなどマスコミ関係です。しかし彼らはそれにより販売部数を伸ばし視聴率を稼いでいるはずです。つまりは利益を受ける側です。ネタを提供した側が受益側に謝るなんてのは理屈に合いません。

では、仕事仲間でしょうか。舞台やテレビ番組に出演しているタレントなら、仲間に多大な迷惑をかけたことになります。謝罪して当然です。
しかしそれなら個々に(リハーサルや撮影現場などで)やればいいことで、マスコミの前ですることではありません。

そうなると、残るはひとつしかありません。スポンサーです。彼らは自分に仕事をくれたスポンサーに謝っているのです。

「こんな不祥事をしでかしてしまいました。ごめんなさい。でもどうか、賠償金は少なめにしてください」

会見を開く側の本音は、そんなところにあるのでしょう。

スポンサー側としても、問題を起こしたタレントを起用し続けることは、商品の価値を下げることに繋がります。多くの場合は解約ということになります。
この場合タレント自らが会見を開いてくれれば、スポンサーはおおっぴらに解約ができます。あれこれと説明して回るコストや手間をかける必要もなく、そのタレントを解約する言い訳を考える必要もなくなるわけです。その分助かるわけです。

最後に

謝罪会見というものは、スポンサーは言い訳として使い、マスコミは商売として使い、タレントは被害を最小限にとどめるために使うものなのです。

そう考えれば、意味がわからないと思った謝罪会見にも、筋の通った合理的側面が見えてきますね。

担当ライター:北風荘右衛

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