日本の認知症患者は2015年時点で262万人。2020年には300万人にも達するとみられています。
しかしこの人類の天敵ともいわれる認知症を、予防できる食品があるという実験結果が発表されました。
それがオリーブオイルです。特にエクストラバージンオイル(化学処理をしないオイル)でその効果が顕著でした。
マウス実験で明らかになったエクストラバージンオイルの効果
アメリカの神経学会で発表された論文によりますと、エクストラバージオイルを餌として与えたマウスと、そうでないマウスとでは脳に明らかな違いが現れたというのです。
気の毒なことにそのマウスには、あらかじめアルツハイマー病の遺伝子が組み込まれていました。いつかは必ず認知症になるマウスです。
普通の餌を与えられたマウスは、三ヶ月ほどで記憶力・学習能力に明らかな低下がみられました。しかしエクストラバージンオイルを与えられたマウスは半年経っても正常なままでした。
そこでマウスの脳細胞を調べてみると、エクストラバージンオイルを与えられたマウスはアミロイド斑(神経細胞が死んだ部位。老人斑とも言われる)が少なく、ニューロン(神経細胞)やシナプス(ニューロン同士の結合部)も健康に保たれていることがわかりました。
オートファジーとは
アミロイド斑などの脳内のゴミや有害物質を除去するのに必須なシステムのことで、自食作用とも呼ばれています。体内をきれいに保ってくれる家政婦のミタさんのような頼もしい存在です。
余談ですが、これを分子レベルで解明してノーベル賞を受賞したのが大熊良典氏です。
オートファジーは、細胞内の異常なタンパク質の蓄積を防ぐだけではありません。食事で摂りきれないタンパク質を、オートファジー作用によって再生産して補っています。生命維持に極めて重要な働きをしているのです。
その家政婦のオートファジーさんが、エクストラバージンオイルで活性化したというのが今回の新発見でした。それによって記憶力や学習能力が改善し、アルツハイマー病の進行を食い止める効果が確認されたのです。
オリーブオイルの効能
オリーブオイルには、すでに多様な効能が知られています。
エクストラバージンオイルに含まれるオレオカンタールは抗炎症作用があり、心臓病のリスクを低下させる効果があります。また、主成分であるオレイン酸は、腸を刺激して便通をよくする働きもあります。
このように美容と健康にいい食品とされてきたオリーブオイルは、さらに認知症にも効くというアビリティを手に入れたのです。
この説が世間に知れ渡れば、もこみちが作る料理にどれだけたくさんのオリーブオイルを使おうとも、もう批判が起こることはないでしょう。MOCO’Sキッチン万歳!
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