浅野忠信はなぜ今カセットテープで楽曲をリリースしたのか?

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あえてカセットテープでアルバムを発表

個性派俳優でアーティストの浅野忠信さんが8月2日に自らが制作した楽曲のアルバム「額の中で」をカセットテープ限定で発売しました。
何でも20代の頃に買ったYAMAHAのQY100とiPhoneの音楽アプリのみで制作したとの事。
レトロな電子機器とiPhoneアプリで組み合わせた楽曲をカセットテープで発売という新旧織り交ぜたこの独特なアプローチそのものが浅野忠信さんのスタイルを完全に体現していると言えます。

なぜカセットテープなのか?

そして「カセットテープ」という存在と浅野忠信という存在がシンクロしてるように感じます。
その理由をいくつか上げると、先ず映像や音を保存する機能は、これまでCD、MD、DVD、Blu-ray、ネットによるダウンロードなどの順に「コンパクト化、容量の多さ、保存状態の持続性、画質や音質の高さ」を求め、デジタル機能のレベルアップを中心に進化して来た中で、その競争の激しさに流されず、未だ根強い支持を持ち続けているカセットテープのポジションが若い頃も現在も自己のスタイルを変えずに孤高のポジションにいる浅野さんとオーバーラップして見える事にあります。「磁気による録音」といえばVHSの存在がありますがTVの完全地上波デジタル化をきっかけに過去の遺物となりました。

大手の家電メーカーはVHSデッキ(デッキという響きが懐かしい)の生産を完全終了していますし、大手の100円ショップでもVHSの販売は終了しています。しかしカセットテープは泰然自若と家電量販店や100円ショップに並んでいます。ネットのオークションサイトなどではカセットレコーダーが当時の定価より高く取引されている状況も多く、未使用品になると2万以上で落札されている光景もよく目にします。
「全く形を変えていないのに現在の方も評価が高い」という家電、特にデータの保存というジャンルにおいてカセットテープの需要の高さは奇跡とも言えます。

意外に便利なカセットテープ

「80年代あるある」として音楽番組に好きなアイドルが出て歌うタイミングに合わせてテレビの前にラジカセを置き、アイドルが歌い始めたのと同時にテープで録音したという話を聞きます。一見、懐かしくも古く今では不便なイメージに感じますが、例えば好きな時間に合わせてラジオが聴けるラディコで、生放送のラジオを聴く場合に、ラジオ番組がメール募集や放送時間中でしかチャンスが無いプレゼント企画などを開催している場合、ラディコのライブ配信だとWiFi環境が悪い場合に途中で途切れたり数分間バッファ中で全く聴けない事が多々あります。
知り合いにラジオのハガキ職人がいますが、スペシャルウィークでプレゼントキャンペーンをやっている時は、その危険性を回避するためにCDラジカセで聴くと聞いたことがあります。生メールを1秒でも早く送る事に命をかけているハガキ職人にとってラディコのライブ配信は危険だそうです。

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これはカセットテープの利便性とも関わってきます。
好きなラジオ番組を今すぐ録音したい場合、テープレコーダーをラジカセのマイクに当てて録音するのが一番早く、ネット環境やギガ容量不足によるデータが飛ぶ危険性も極力回避でき、何よりも操作のしやすさに重きを置く高齢層には最適です。そして何といってもVHSとの決定的な違いは保存状態の良さです。
ちなみに私の自宅にある20年前のラジオ番組を録音したテープの9割は未だに劣化せず聴けます。押入れの棚に閉まって置いた数百本のVHSテープはカビが生えて全滅しましたが。(泣)

まとめ

これらを総括するとデジタル化の荒波の中でも不動の存在で今尚、形を変えず生き残っている。一見古いようで劣化しにくいという質の高さ。全てがデジタル化されている時代に逆行しているにも関わらず根強い支持層がいる「唯一の磁気録音」というオンリーワンの存在。
それは「浅野忠信はいつの時代も変わらず浅野忠信」という普遍性と完全にシンクロしていると感じます。
ちなみにこの浅野忠信さんのカセットテープアルバム「額の中で」は、250本限定販売との事。カセットテープのパッケージデザインも浅野さん本人が手掛けています。
個人的にはカセットテープ楽曲の品揃えが最も多い、アメ横の演歌専門店「リズム」でも発売して欲しかった。

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