相次いでミサイルを発射する北朝鮮、その資金はどこから?

相次いでミサイルを発射する北朝鮮。一体その資金はどこから出ているのでしょうか?
そもそもミサイルって一発どのくらいするの?
その点を調べてみました。

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ICBM、SLBMって何?

ミサイルはラテン語のMissileが語源で、放り投げるものという意味です。
ミサイルには弾道軌道(ボールを投げた時のような放物線軌道)を持ち、射程が長い弾道ミサイルと、目標まで水平に飛行する短距離用の巡航ミサイルがあります。有名なトマホークは巡航ミサイルです。

ICBMは大陸間弾道ミサイルの略で、長距離を射程に持つ戦略兵器です。SLBMは潜水艦発射弾道ミサイルのことで、潜水艦から発射できるため捕捉しにくい特徴を持ちます。

つまり北朝鮮は広範囲を射程に持つICBMと、発射まで補足が難しいため迎撃がより難しいSLBMを開発したことになります。

ミサイルの価格っていくら?

ミサイルについてははっきりと価格はわかりません。ただ、アメリカやロシアのミサイル本体の価格はある程度分かっています。

SLBM

トライデントD5:1基3,090万ドル(約33億7,428万円)
生産国:アメリカ

ICBM

ミニットマン:1基700万ドル(約7億6,440万円)
生産国:アメリカ

短距離弾道ミサイル

スカッドミサイル:200万〜550万ドル(約2.2億円〜5.5億円)
生産国:ロシア

SLBMの値段が桁違いなのが分かります。これは潜水艦発射の技術的難しさからくるものです。
ミサイルにはこのほかに発射用サイロ、移動式発射台、潜水艦など、付帯する装備も必要であるため、その費用は天文学的な数字になります。
そして、注意すべきは先ほど紹介したミサイルはいずれも米国やロシアといった大国が量産したもので、単価が低い部類に入るミサイルです。
北朝鮮は電子部品やエンジンなどを安定的に生産する高度な工業力に乏しいため、手作りに近い作り方で密輸した部品からミサイルを製造していますので、もっと単価が高い可能性もあります。

北朝鮮の経済力ってどのくらい?

北朝鮮はGDPを発表していないため、経済規模はよくわかりません。ただ、韓国銀行や国連の推計によると、2016年のGDPは世界107位の170億ドル(約1兆8,564億円)と言われており、軍事費は40億4,000万ドル(約4,411億円)と言われているので23.6%が軍事費ということになります。
この軍事費のうち、1/4以上をミサイル開発に当てています。

ちなみに東京都のGDP(2016年)が世界16位の約94兆円なので、桁違いです。
日本の軍事費は約5兆円、ただしほとんどを人件費と弾薬費が占めます。

北朝鮮の主要産業は農業であるうえ、農業インフラが崩壊して破たん状態にあります。この莫大な軍事費を支えているのは世界各国に作った貿易会社を通した密貿易や、スーパーKとして知られている偽札づくりなども含めた非合法収入が当てられているといわれています。

工業力が貧弱な北朝鮮では戦争遂行能力は低い

ミサイル開発には電子部品、素材工業など高度な工業技術が必要で、自前でミサイルを開発できる国は先進国とロシア、中国などごく一部です。そのごく一部の国でもすべての部品を自国で生産するのは困難であり、その能力があるのは米ロなどごく一部です。

北朝鮮のミサイルは外交カードとして利用するのが精いっぱいで、ギリギリのところで生産しているのが現状ですし、エンジンはウクライナ、制御部品は中古で出まわている日本の電子部品やIT機器から調達している可能性が高いということです。

とはいえ、米国本土まで射程に入るミサイルを開発したことは大きな脅威であることは言うまでもありません。

目的は外交的に優位に立つため?それとも天候不順で飢餓が悪化?

北朝鮮はミサイルを外交カードに使用しており、グアム近海へ落下させると豪語していたものの、米国が軍事的報復をちらつかせると即座に中止しています。
米国に勝てる見込みはないので、賢明な判断であったといえるでしょう。

しかし今年に入ってから国力を削ってまで見知るの発射実験を高い頻度で行っています。これには何か原因があるはずです。
韓国は昨年から天候不順で干ばつに襲われており、北朝鮮も同様に干ばつに襲われていたと考えられます。餓死者が増加し、国内の体制が崩壊寸前であるため目を外に向けさせる目的もあったのではないかと思われます。

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