ついに青い菊の作出に成功!バラと違ってしっかり青に!

2017年8月7日、農研機構野菜花き研究部門(茨城県つくば市)とサントリーの共同研究チームが、遺伝子組み換え技術で鮮やかな青色の菊を作ることに成功したと発表しました。
サントリーはこれまで青いカーネーション、青いバラを遺伝子組み換えで作ってきましたが、いずれも紫がかってしまい、完全な青とは言えませんでしたが、今回の青い菊はきれいな青色をしています。

写真は著作権の都合で掲載できませんので下記リンクをクリックしてください。
農研機構のプレスリリース

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なぜ菊が選ばれたのか?

それは三大花卉といって出荷量が多いためです。日本の切り花類の出荷量の約40%(約16億本、平成27年度)、出荷額の約30%(632億円、平成26年度)を占めているとても大きな産業なのです。
三大花卉は菊(主に仏花)、バラ(贈答用)、カーネーション(母の日)です。
恐るべし母の日需要・・・・・。

なぜ遺伝子組み換えでないと青い菊はできないのか?

植物の花にはいろいろな色素が含まれていますが、この色素は植物が持つ遺伝子の働きで作られます。しかし、バラ科もキク科も青い色素(デルフィニジン)を合成する遺伝子を持っていないため、彼らは青い色素を作ることができません。
植物は普通、極めて近い仲間同士で雑種を作ることができますが、縁戚関係が遠いと交配できません。普通は同じキク科の中でも特に近い仲間同士でしか雑種は作れません。
つまり、同じ科の中に青い色素を作る遺伝子を持った仲間がいない以上、パンジーやツユクサといった他の植物から遺伝子を持ってこない限り、青い菊は作れません。そのため、人工的に遺伝子を組み替えて青い色素を作る遺伝子を組み込まないと青い菊ができないのです。

青い菊はどうやって作った?

今回は青紫の花を咲かせるカンパニュラの遺伝子に加え、青いチョウマメから取り出した別の遺伝子を働かせることにより、花色を青色に改変できました。
使う遺伝子は違うものの、基本技術はカーネーション、菊、バラ、コチョウラン、ダリアなどですでに成功しており、それほど新規性があるわけではありません。

今まで青紫色の色素を作る遺伝子を入れても、紫の花しかできなかった

リトマス試験紙というのを覚えていますか?
青い色素はあれと同じで、pHなどいろいろな条件によって色が変わってしまい、安定的に青色を出すことができません。
私が今まで見た中で最も青に近い花が咲いていたのは千葉大学が同じ技術で作成した青いコチョウランです。
写真がピンボケですが青いコチョウランです。

偶然の産物?大発見?なぜ今回は青になった?

今回の菊は青に近い紫色の花が咲きました。理由はもともと菊にあったフラボンという透明の色素が青い色素を安定させたためです。
今回の発見により、フラボンを作る遺伝子も一緒に導入すればより美しい青いバラやカーネーションができる可能性が広がったといえます。

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