ベビーカーの功罪 ベビーカーを使うときに心がけること

ベビーカーは大変便利なものです。赤ちゃんを簡単にしかも安全に外に連れ出せるのですから、乳幼児のいる家庭には今や必須のアイテムです。
かつて乳母がガタゴトさせながら押して歩いた乳母車は、コンパクトでスリム、サスペンションまで付いて機能性の高いベビーカーに進化しました。
さらにオシャレなデザインに豊富な色のバリエーションという、至れり尽くせりな商品ラインアップが用意されています。今では年間100万台近い台数が販売される一大市場となりました。

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どういう意味がある?ベビーカーマーク

ベビーカーマークという国交省が定めたマークがあります。これが貼ってある場所なら、ベビーカーを折りたたまずに乗っていて良いという印です。多くの鉄道会社などで採用されています。
しかしこれは法律ではありませんし、この問題がそもそも法律とは無関係です。こんな程度のことを国の判断に頼っていては恥ずかしい限りですね。

便利なだけに迷惑でもあるベビーカー

ベビーカーにはひとつだけ困った特性があります。それは「かさばる」ということです。
近所を散策するには問題ありませんが、公共の場所などで大勢の人が集まる場所にベビーカーが行くと、いろいろなトラブルや嫌な目にあう事例が報告されています。
それは社会が不寛容だからいけないのだ、という意見が幅を利かせているようですが、それはちょっとおかしいと著者は思うのです。

ベビーカーでどこに行く?

ベビーカーを必要とする子供は、生後2ヶ月(最初の予防接種で通院するとき)から通常は2才、せいぜい3才ぐらいまでです。自分で歩けるようになると、子供のほうが嫌がるようになります(個人差はあります)。
さて、その3才ぐらいまでの子供を乗せてベビーカーでどこに行くのでしょう。

ベビーカーで初詣


ベビーカー騒動の発端となったのは、おそらく都内のお寺が出した看板「ベビーカー自粛のお願い」が最初でしょう。それ以前にもトラブルや苦情は多かったと思いますが、これで論争に一気に火が付きました。
そこに『五体不満足』の著者・乙武氏が参戦しました。「車椅子も同じように思われているのだろう」と。

これは乙武氏の大いなる勘違いです。ベビーカーと車椅子では根本的に大きな違いがあります。選択肢です。
車椅子(に乗った人)には他に選択肢がありません。しかし、ベビーカーにはそれがあるのです。
初詣なら、寺社の駐輪場にでもベビーカーを停め、抱っこしてゆくことは可能でしょう。詣でる1時間くらいの間なら抱っこぐらいできる人が大半なはずです。
稀にそれができない事情のある人もいるでしょう。だからこのお寺は、禁止ではなく自粛と書いたのです。車椅子に関しては自粛とさえも書いていません。

乙武氏のように他に選択肢のない人は、社会側が引いて彼のために場所を空けてあげるべきです。
しかしベビーカーの場合はそうじゃありません。子供が小さいうちは極力外出はしない。混雑する場所には連れて行かない。連れて行くなら抱っこする。そうした選択肢があるのです。

人混みに子供を連れて行く

ベビーカーの便利さが生み出した功罪は、初詣だけではありません。混雑する時間帯でショッピング、満員電車、果てはお祭りやバーゲンセール、ライブ会場にまで持ち込む人がいるようです。
ここまで来ると批判は当然と思えます。まだ免疫体系も整っておらず体力もない乳幼児に、本来人混みは厳禁です。
子供のためではなく、自分が行きたいがためにベビーカーを利用する。それが批判の根本にあるのです。
ベビーカーがあまりに便利であるために、本来してはいけないことをしている。それが社会の反感を呼んでいることを忘れるべきではありません。

本当の寛容な社会とは

寛容な社会に対する誤解を解いておこうと思います。寛容な社会とは迷惑をかける側が、大上段に振りかぶって権利を主張する社会のことではありません。
ほんのちょっと申し訳ないですねという態度を示すことで、周りが自然に道(場所)を開けてくれる社会のことです。

現在盛んな論争には、そのようなものはまったくありません。少子化なんだから子供のいる女は優遇して当たり前でしょという態度と、迷惑は迷惑なんだよという脊髄反射の繰り返しです。
それが延々と続きます。不毛です。年に2回植えるやつです? それは二毛作です(某豪農の跡取り娘)。結論などでるはずのない迷宮です。

社会は、皆の犠牲を少しずつ出し合ってやっと成立する微妙な生き物です。誰かだけを無闇に優先すると、間違ったことが起こります。それがトラブルです。

最後に

老人や妊婦、障害のある人などを見かけたら、席を譲ることが当たり前なことであり、譲られた人はその親切に深く感謝をする。時代がどんなに変わろうとも、そういう人々が暮らす国であって欲しいと思うのです。

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